リープのぐずり期と急成長期の時間的関係

Marta Sadurni等(2010)原文(PubMed):https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20480682/

 人類および他の霊長類の社会情緒的行動が不安定化・秩序崩壊する発達的変化についての文献に拠ると、乳幼児期は、主要な発達課題の達成ないし発達的移行の最初の段階であり、最も重要性が高い (Heimann, 2003; Sparrow & Brazelton, 2006)。また乳幼児の態度が不安定化・秩序崩壊する時期において、泣きが頻繁化、長期化し、母親との身体接触を強く求める様子を発達の研究者等は目撃してきた。Horwich (1974) に拠ると、一部の著者の間では、これらの時期のことを退行期(regression periods)と呼ぶ。

 H.ヴァン・デ・リートとF.プローイユ(1992)は、人間の生後20ヶ月間に10回の退行期を特定できたと主張した。SadurnA-とRostan (2002) の先行研究でも、このような退行期が、カタルーニャの18名の赤子の生後1年間に8回存在したことが確かめられている。これら8回の退行期は、H.ヴァン・デ・リートおよびF.プローイユが発見した10回の退行期の最初の8回に相当した。

 本研究の目的は、これらの退行期が、何らかの発達的移行と、時期的に関係しているのか否かを確認することである。本研究における発達的移行とは、子どもに起こる新たな発達的変化と定義する。本研究では、既に出版された我々の退行期に関する研究でも述べた、18名のカタルーニャの赤子(男児10名と女児8名)の分析前データを流用させていただいた。同赤子の年齢は生後3週~14ヶ月であった。本研究では、微視発生法的手法を使用し、生後1年間に8つの発達的移行期が存在することを発見した。また、既に発見されていた退行期と本研究で報告した発達的移行期の間に、時期的関係性があることを確認できた。

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